OUR DESIGN

WHAT WE THINK

福祉研の考える施設設計

福祉施設研究所とは、 高齢者福祉施設、障がい者福祉施設の建築設計を行う 株式会社日比野設計のなかの専門チームです。 ただ機能をデザインするのではなく、 機能を満たす事に加えて付加価値をデザインすることで、 福祉施設の向上を目指します。

施設全般

  • 高齢者、障がい者の笑顔のために

    福祉施設の目的は、利用者である高齢者、障がい者の方々が安心して過ごせる環境づくりをすること。「誰のための施設なのか」を一番に考えながら、職員やご家族、地域の方々も心地良く利用できる施設をつくることが重要です。

  • コンセプトを大切に考える

    福祉施設の設計において、ソフト面とハード面が一つの方向を向いてコンセプトを掲げていることが大切です。平面計画やデザイン、素材の選定や色彩計画など、すべての要素がその施設のストーリーとなります。

  • 利用者目線で考えるしつらえ

    福祉施設の設計は、利用者の方々の目線に立つことから始まります。例えば、あえて死角を設けることで、高齢者にとって落ち着きのある空間が生まれることもあります。建材選びでも、汚れにくい材料や傷がつきにくい材料を第一に選ぶのではなく、利用者にとっての快適な環境を考え、施設のコンセプトに適したしつらえを施すことが大切です。

  • ダイニング・キッチンを明るい場所に

    リビングやダイニングは福祉施設内でも人が集まる最も重要な場所。そのためプライベート空間である個室よりも、日当たりや眺望が良い位置に配置することで施設全体が明るい雰囲気になります。また、浴室やトイレなどの水回りも明るく快適に利用できることが重要です。

  • 木質材料の利用

    利用者の居住スペースにはできる限り木質材料を使用します。木材は心地よい空間をつくり出すだけではなく、人体にも良い影響を与えるといわれています。

  • 地域コミュニティー

    福祉施設は地域との隔たりを持たず、ともに歩んでいくことが大切です。地域の様々な方との積極的なコミュニケーションが、利用者の介護予防につながったり、認知症の進行を抑制できると考えています。

  • 防災への備え

    地震、火災、津波などの災害への備えは福祉施設において特に重要です。避難用バルコニーの設置や防火区画などのハード面を充実させることはもちろん、避難訓練や緊急時の対応マニュアル整備といったソフト面での備えも必要です。また、地域と施設が助け合う関係を築くことで、防災拠点としても機能する地域に愛される施設となります。

  • 建物の老朽化と将来の対策

    福祉施設の建物の老朽化は深刻な問題です。設備機器の更新や使い勝手の見直し、耐震性能の強化など、経年とともに出てくるさまざまな課題に対し、これまでの経験やノウハウを活かしてそれぞれの状況に応じた提案をいたします。

高齢者施設

  • 地域との関わりで充実した生活を

    高齢者施設での生活は、施設の規則や設備などで制約を受けることも多く、普段の生活の中で孤立しがちな環境にあります。地域の方々が気軽に来館できる仕組みを施設内に取り入れ、幅広い世代との交流が生まれることで、いつもの生活がより充実したものになり、介護予防にもつながります。

  • 明るく清潔感のある浴室

    毎日使用する場所でもあり、利用者にとって明るく清潔感が求められる浴室。カビの発生や湿気対策には自然換気が欠かせません。十分な換気と採光を確保するために大きな窓をとることで、清潔な浴室を維持し、利用者が快適に入浴できる環境をつくります。

  • 利用者のための付加価値を作る

    普段の生活の場とは別に高齢者が集う場所を設けるなど付加価値をつくることで、楽しみが生まれ、自らの意思で考え行動する機会が増えます。強制的に運動を強いるのではなく、生活の中で介護予防につながるような仕組みづくりも大切です。

  • 多世代交流を図る

    保育所や地域の子どもたちが気軽に入館できる仕組みを施設内に作ることで、子どもたちとの交流が生まれます。若い世代との会話を通じて高齢者が過去の記憶を思い出したり、認知症進行の抑制につながります。

障がい者施設

  • 作業所の環境改善で利用者の作業意欲を高める

    就労継続支援作業所における作業所は、利用者が長い時間を過ごす場所です。空間のしつらえにもこだわることで、施設で働く障がい者の方々のモチベーションや整理整頓の意識も向上し、一つ一つの作業への意欲を上げていきます。

  • 地域に開かれた施設創り

    障がい者施設と聞いても実際どんな場所かわからない、という人は多いのではないでしょうか。見えない、わからないことが間違った偏見となり、地域とのつながりを希薄にします。地域から孤立しがちな施設ですが、地域に開いていくことで障がい者やその活動に対する理解が深まります。健常者も障がい者も隔たりのない社会を目指します。

  • コミュニケーションを意識した共同生活の場

    グループホームは共同生活の場です。常にコミュニケーションが取れる環境をつくることで、利用者同士の会話が増え、仲間意識や助け合いの気持ちが強くなります。